
天然石の光の現象
天然石は、種類によって光り方がまったく違います。ゆらめく青、猫の目のような一本の筋、星のような光――。その多くは、石が育つあいだに取り込んだものや、石の中のつくりから生まれています。選ぶときに知っておくと、石を見るのがもっと楽しくなる「光の現象」をまとめました。
インクルージョン(内包物)とは
天然石は、長い時間をかけて育つあいだに、空気や水、ほかの鉱物の結晶、小さなひび、くもりなどを内側に取り込みます。これをインクルージョン(内包物)といいます。
宝石の世界では、透明度を下げる「欠点」とされることもあります。けれど、その内包物が光を反射したり、散らしたりすることで、ほかにはない幻想的な輝きが生まれることも。欠点にも見えるものが、その石だけの個性になる――天然石ならではの面白さです。
キャッツアイ効果(シャトヤンシー)
石の表面に、猫の目のような一本の光の帯があらわれる現象です。石の中に細い針のような内包物が平行に並んでいると、光がそれに沿って反射して帯になります。見る角度で光の帯が動くのが魅力で、クリソベリルのキャッツアイがもっとも有名です。タイガーアイやアパタイトなどにも見られます。
スター効果(アステリズム)
光の帯が何本も交わり、星のように見える現象です。ルビーやサファイア、ローズクォーツなどに見られ、こうした石は「スター○○」と呼ばれます。丸く磨いたカボションにすると、光の星がくっきり浮かびます。
変色効果(カラーチェンジ)
太陽の光の下と、電球の明かりの下で、色がちがって見える現象です。石が吸収する光の性質によるもので、アレキサンドライトは昼の光では青緑、白熱灯の下では赤紫に見えることで知られています。ガーネットやサファイアの一部にも見られます。
アベンチュレッセンス
石の中に含まれた小さな鉱物の結晶が光を反射して、きらきらと輝く現象です。サンストーンやグリーンアベンチュリンが代表的。よく似た輝きの「ゴールドストーン」は、人がつくったガラスです。

ラブラドレッセンスとシラー
ラブラドライトの、角度によって青や金の光が走る輝きはラブラドレッセンスと呼ばれます。石の中に重なった薄い層が光を干渉させることで生まれます。同じ長石のなかまのムーンストーンに見られる、青白い光がふわりと浮かぶ輝きはシラー(アデュラレッセンス)と呼ばれます。


石を選ぶときの楽しみ方
光の現象は、写真よりも実物で、しかも光の向きを変えながら見るのがいちばんです。窓辺の自然光、室内の明かり、少し傾けたとき――同じ石でも驚くほど表情が変わります。気になる石があったら、ぜひ光を味方にして眺めてみてください。
※ 天然石は自然のものため、光の出かた・色・模様はひとつずつ異なります。